令和6年度より、附属桃山中学校は、併設型中高6年一貫校となります。これに伴い、中学3年時に附属高校への進学希望がかなわず、「やむなく他校へ進学しなければならない」ということがなくなりました。安心して6年間を勉強やスポーツに打ち込める環境になったことはとても喜ばしいことで、学校の魅力もグンと上がった感じがします。
ただその反面、気になることも出てきました。受け入れ定員の少ない高校に合わせる形となったため、中学の募集定員が少なくなってしまったことです。国立中学校は、附属小学校からの連絡進学者を受け入れた後、不足分を外部から募集します。令和5年と6年で比較してみましょう。
*令和5年度 一般入試 男女合わせて50名(1学年定員120名)
*令和6年度 一般入試 男女合わせて40名(1学年定員96名)
定員10名の削減がどのように入試に影響するのかが注目すべきところです。昨年度も追加合格者を少なからず出していたので、「追加合格分がなくなるだけなのでは」という数字上の納得はできるかもしれませんが、中高6年一貫校となったことによる受験者数の増加がかなり見込まれるため、令和6年度入試は、10名削減と相まってかなり難しくなりそうです。
ここで、令和5年入試を振り返ってみましょう。受験者数と合格者数の変化をご確認ください。
直近4年の男女の合格者数の合計は、募集人数50名に対して、62名⇒65名⇒62名⇒64名となっており、募集人数の約1.27倍の合格者を出しています。この流れで行くと令和6年度入試の合格者数は、40×1.27≒51名くらいと予測できそうです。次は競争倍率です。
最近の国立中学は男女差が緩やかになっています。附属桃山中も例外ではなくここ数年男女差が狭まってきており、R.5年入試においては、男女の競争倍率がほぼ同じになりました。男女とも3.0倍を切った倍率が令和6年入試では、どのようになるのか興味深いところですが、4倍を超えてくるのは必定で、5倍前後になりそうな感じがします。
次に、令和5年入試では、どのような学力層の生徒が合格していたのでしょうか。駸々堂テストのデータをご確認ください。
男女とも偏差値50を超えていないと合格が難しいです。その上で、男子の合格ボーダーゾーンは、偏差値51~53あたりと考えられます。女子は、明らかに男子より厳しく、合格ボーダーゾーンは、偏差値54から57あたりと見受けられます。
令和6年入試はこれより厳しくなるので、男女ともボーダーゾーンは上がり偏差値55は超えてくる可能性があります。受験校選択の際に注意が必要です。