まず初めに、令和5年入試がどのようなものであったかを振り返ってみたいと思います。
連絡進学入試から見てみましょう。
私の記憶には無いことが昨年の12月に起こりました。それは、初めて男子の合格者数が女子を上回ったことです。男子の受験者数が例年に比べとても多く女子とほぼ同数だったことが一因と考えられますが、男子が19名合格したことは驚きでした。
附小生の全受験者に占める合格者の割合をH.30年から並べてみますと
57%⇒72%⇒75%⇒77%⇒70%⇒70%
H.30を除いて考えると、連絡進学希望者の70%を目安に合格者を決めていることが分かります。R.6年度入試も大きく変わることは無いと思われますので、上位から7割に入ることが目標となります。
そうなんです。7割に入ればいいのです。もちろん内申点の比重が高い入試ですので12月23日の入試結果だけで決まるものではないのですが、もし学力テストで平均点を下回っていたとしてもチャンスが残るのは事実です。ひのき塾のエブリデイ附小スクールを中心に、粘り強く計画を立てて学習していきましょう。
次に一般入試に目を向けてみたいと思います。一般入試の受験者数推移は以下のようになっています。
児童数の減少による長期的な目線で見た受験者数の減少は感じられますが、前年を上回る受験者数となるときも少なくなく、奈良女人気の高さを伺うことができます。特に直近5年を見ると合格者数を絞っており、入試の難易度は益々上がっているように感じます。ただ、R.3・4年入試は、さすがに絞りすぎた感があり、追加合格が多く出ました。R.5年入試の合格者数が増えたのはこの反動と思われます。このような合格者数の減少は、過去のブログでも取り上げておりますが、追加合格を出さないように多目に合格者を出していたやり方から、附天中のように積極的に追加合格者を出す方針に切り替えたことが理由です。方針転換は、R.2入試あたりからなのでこの辺りから合格者を絞っているように見えますが、入学者数が大きく減少しているわけではありません。
R.5年入試の難易度はどのようなものだったのでしょうか?次の駸々堂テストのデータをご覧ください。
連絡進学者の合格者も含まれていますので考慮に入れて判断する必要がありますが、男子は偏差値59から62がボーダーゾーンになっており、女子は偏差値60から63がボーダーゾーンになっています。これは、附天中にも言えることなのですが、国立と言えば女子が難しいという定説があてはまらなくなっており、男女差が以前ほどハッキリと現れることが少なくなっています。
R.5年入試の問題傾向ですが、表現Ⅰの国語に物語文が採用されるなどしたため表現Ⅰの平均点が高くなりました。それに対し、算数が難しくなっていたため表現Ⅱの平均点が低くなり、ⅠとⅡの格差がハッキリした入試でした。今までと同じ流れで読むと、次年度に必ずこの反動が来るので、R.6年度入試は、国語が時事的な内容を含む説明文にもどり難化、算数は易化という方向へ進みます。いずれにせよ、R.5入試のようなアンバランスな出題は避けてほしいと思います。